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20090306から 日常メモ用とか ■日常に思ったことを、メモしていきます。 ■疑心と許容を信仰しています。 ■正しい保障なんて無い。 ■正確さより、人の心を動かすものがあるのも知っています。 ■あと、空想旅行、深夜便.夢旅行とかなんとか。
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 学園の第一教学棟に、その見知らぬ女性は大原テルナと一緒に居た。
大原の彼女は、梁矢フリス。では、その女性は誰だろうか。

背は大原より頭二つ分ほど高く、普通の女性よりも高い。
容姿は単純に言い表せば、美女。透き通るような、白い肌と白い髪。
服装は職員でも学生でもなくごく普通な、いやとてもいい加減な服装。
パーカーとその下にYシャツ。下はただのロングスカートで、靴も無地。しかも全て新品のような白。

得体が知れない。

学園のゲストであれば、ゲストの名札を貰っているはずであり、それが無いという事は大原の知り合い。
まず親類の線は、自分の知る限り無い。遠い血縁か、単なる友人か。

大原の容姿上、女性の友人はそう難いことではないが、性格上無差別な友好関係は好んでいない。
だが、頼まれると強い理由がなければ断らない性格だ。となると、押しかけるように頼ってきた人間か。
どうして、となるとただそこに大原がいたから、という事になるだろうか。

「こんにちは、大原君。御家族かい?」
「こんにちは、小路さん。こちらは外国から来たヴィクス・アルディンさん。」
『初めまして、小路さん。』

声も肌や髪の色と同様に、とても透き通っている。また言葉に訛りは無く、淀みも無い。
しかし、その声質が気になった。人らしくない、が『何か』と言うイメージがうまく浮かばない。

「初めまして、小路ハザマです。この学園はどうですか?」
『とても広くて、回り切るのが大変です。設備が整ってて良いところですね。』

握手を交わしながら、会話する。

「楽しそうで何よりです。どうぞ、ゆっくりしていってください。」

自分は笑顔を作り、着た側へと歩いていった。
あの感じ。そうだ、天ヶ崎家の老師に似ている。



ヴィクスは、小路の歩いていく後姿を眺める。

『彼は何者かしら? 何か知っている?』
「やっぱり、何か感じましたか。
彼が言っていた、『ある人』です。」
『彼、人間じゃないわね。 強いて言えば私と似ている。』

「・・・確かに似てます。」
『けど、私ほど見る力は無いみたいね。
得体が知れないと思って、深くは追求してこなかった。』
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 サラは男性的な女性。
 モカは頭脳明晰、トワは運動神経抜群。

 そう特徴を考えてるとユナにはこれといった特徴が無い。
 ごく普通の女性である。

 何か特徴を加えようかと思ったけど、「普通の人ポジション」であると気づいて止めた。

 「なんで、私にそのようなことを?」

 フリスはヴィクスへ、冷静に聞き返した。

 『まず、聞くべきは恋人のあなたから、だと思ってね。』
 「間違っています。 聞くべきはテルナ君、本人からです。」
 『あら、そうかしら?』
 「あなたは戦略的な動き方をしている。
  私を懐柔することができれば、テルナ君を落すことは容易である、と。」
 『察しはいいのね。 さすがは、作られた天才。』
 「作られたと言えども、A,SH、科学の挑戦として作り変えられた者ではなく、
  C,SH、進化を継承する為に作られた者。まして、1からの人造ではない。」
 『それは、詭弁じゃないかしら?』
 「なら、あなたはごく自然に生まれたのですね。
  体をいじったことは?」
 『ふふ、中々言うわね。 あるわよ。
  代表的なものを言えば、不老不死の体と、無尽蔵の脳。
  それを考えれば、あなたなんて可愛いものね。』

 ヴィクスは不敵な笑みを浮かべる。

 「私の願望を含めた予想ですけど、テルナ君はあなたの申し出を受けませんよ。」
 『あら、どうしてそう思うの?』
 「テルナ君はあなたのこと、好(よ)く思っているようには見えなかったわ。
  知識の女神としては、好ましいと感じているけども、
  一人の人間としては、うっとうしいと感じているように、私は見えた。」
 『まあ順調。』
 「順調?」
 『あえてあなたから聞きたかったのよ。彼が、私を好んでいないことを。』
 「・・・なぜですか?」

 いぶかしげな表情のフリス。

 『あなたにも、彼にも、私に依存させない為よ。
  人は自らに至らなさを感じた時、完璧なものにすがりつこうとする。
  私がこの世界から旅立った後、つまづいたとして私に頼られても、私はどうしようもない。
  だから、私に頼ることを癪と思わせていた方が、ずっと好ましい。』
 「まるで親かなにかね。」
 『あなたも、私の問いで、私に頼りたくはなくなったでしょう?』
 「あなたは何でも計算づくですか。 ええ、嫌いになりましたとも。」

 『私は言葉だけで、あなたと彼に嫌われたのよ。』
 「子供みたいな嫌い方だとは分かってますがね、だからどうだって言うんですか。」
 『人を動かすのは、何も物や金じゃない。
  人を動かすのは人、心を動かすのは心よ。』
 「それは当然のこと。物や金は、方法の補助役でしかない。」
 『だから。 彼に、もっと好きになってほしいなら、心を尽くしてあげなさいな。
  愛に、確信がないなんて哀しいわ。』

 「・・・余計なお世話です。」

 そっぽを向くフリスに、ふふふ、とヴィクスが笑う。
 *メモ

 ガンダムなど、架空の巨大ロボットは二本足であることが多い。
 だが、二本足、二足歩行である、というメリットはどこにあるのだろうか。
 主にキャタピラと比較する。

 二本足にすることで、脚部の複雑化に伴い、故障しやすくなってしまう。
 故障しずらくするのならば、いわゆるガンタンクのようなキャタピラの方がマシである。

 二足歩行であるばあい、倒れやすくなってしまい、姿勢制御に極めて複雑なOSを必要とするだろう。
 倒れにくさを求めて四足にすれば、OSの複雑さは増す。
 キャタピラならば、二足歩行よりは倒れにくい。


 キャタピラに出来ず、二足歩行に出来ること、を上げるのならば「他の推進力に頼らない跳躍」だろう。
 坂道を極めて素早く駆け上ったり、段差をものともせず動き回ったりすることは、キャタピラにできない。
 だが、跳躍の為の姿勢制御は複雑になるだろうと予想でき、また跳躍に耐えうる強度を持った脚部の製造がとても困難になることも、想像に難くない。そう考えると、「超高度な制御システム」と「強度の高い巨大な脚部」がなければ、キャタピラの方がマシである。
 あ、架空の巨大ロボットは、そうしたことを実現しているからこそ、存在するんだから、製造に関する話は関係ないか。


 あー、眠い。むり。
 『人は自由など権利を求めた先、権利を守る為に、権利を乱用する。
 それを受ける人間は、果たして自由の権利を侵害されていないと言えるのだろうか。
  本来持っている権利すら、侵害されてはいないだろうか。』

 『自由とは、何よりも自身が他者を認めるということに始まる。
 自由とは、自身が他者に認められるという自由ではない。
  自身が他者に認められるという絶対の権利は存在しない。
  あるのは、され得る権利であり、認められる為には相応の事実を必要とする。』


 『加えるのならば、正義とは自身に存在するものではない、という事を言おう。

 自らが間違いなく正しいと思ったのならば、その人は既に悪でしかない。
  何かを間違いなく正しいと思うこと、その行為そのものは悪でしかない。

 真の正義とは、何が正しいのかを探し求め続けることにあると、私は思っている。
  それは、正しいことがあるという保証すらも存在しないという、確証を持っているからだ。』

   *

 ヴィクス・アルディン。
 とても多くを知る者。

 だが、彼女は人にために生きているわけではない。
 自分のために、人の心を利用しているに過ぎない。


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