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20090306から 日常メモ用とか ■日常に思ったことを、メモしていきます。 ■疑心と許容を信仰しています。 ■正しい保障なんて無い。 ■正確さより、人の心を動かすものがあるのも知っています。 ■あと、空想旅行、深夜便.夢旅行とかなんとか。
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 「なんで、私にそのようなことを?」

 フリスはヴィクスへ、冷静に聞き返した。

 『まず、聞くべきは恋人のあなたから、だと思ってね。』
 「間違っています。 聞くべきはテルナ君、本人からです。」
 『あら、そうかしら?』
 「あなたは戦略的な動き方をしている。
  私を懐柔することができれば、テルナ君を落すことは容易である、と。」
 『察しはいいのね。 さすがは、作られた天才。』
 「作られたと言えども、A,SH、科学の挑戦として作り変えられた者ではなく、
  C,SH、進化を継承する為に作られた者。まして、1からの人造ではない。」
 『それは、詭弁じゃないかしら?』
 「なら、あなたはごく自然に生まれたのですね。
  体をいじったことは?」
 『ふふ、中々言うわね。 あるわよ。
  代表的なものを言えば、不老不死の体と、無尽蔵の脳。
  それを考えれば、あなたなんて可愛いものね。』

 ヴィクスは不敵な笑みを浮かべる。

 「私の願望を含めた予想ですけど、テルナ君はあなたの申し出を受けませんよ。」
 『あら、どうしてそう思うの?』
 「テルナ君はあなたのこと、好(よ)く思っているようには見えなかったわ。
  知識の女神としては、好ましいと感じているけども、
  一人の人間としては、うっとうしいと感じているように、私は見えた。」
 『まあ順調。』
 「順調?」
 『あえてあなたから聞きたかったのよ。彼が、私を好んでいないことを。』
 「・・・なぜですか?」

 いぶかしげな表情のフリス。

 『あなたにも、彼にも、私に依存させない為よ。
  人は自らに至らなさを感じた時、完璧なものにすがりつこうとする。
  私がこの世界から旅立った後、つまづいたとして私に頼られても、私はどうしようもない。
  だから、私に頼ることを癪と思わせていた方が、ずっと好ましい。』
 「まるで親かなにかね。」
 『あなたも、私の問いで、私に頼りたくはなくなったでしょう?』
 「あなたは何でも計算づくですか。 ええ、嫌いになりましたとも。」

 『私は言葉だけで、あなたと彼に嫌われたのよ。』
 「子供みたいな嫌い方だとは分かってますがね、だからどうだって言うんですか。」
 『人を動かすのは、何も物や金じゃない。
  人を動かすのは人、心を動かすのは心よ。』
 「それは当然のこと。物や金は、方法の補助役でしかない。」
 『だから。 彼に、もっと好きになってほしいなら、心を尽くしてあげなさいな。
  愛に、確信がないなんて哀しいわ。』

 「・・・余計なお世話です。」

 そっぽを向くフリスに、ふふふ、とヴィクスが笑う。
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